ありがたいことに、2023年9月より再び Frontend のリードエンジニアとして新規開発プロジェクトに参画している。しかも、今回 Frontend の担当者は私1人だけだ。

CTO、BE、FE にそれぞれ一人、総勢3名の小さなチーム。開発予定のソフトウエアはまだ構想のみ、要件定義も、画面デザインも何もないところからスタートである。私の最初の課題は技術選定だ。

仕様を考慮すると SPA が最善という結論に至ったが、フレームワークを React 18 にするか Vue 3 にするかはすぐ選ぶことができなかった。 Web 業界では、 Vue が一世を風靡したかと思ったら、また React へ軸足を戻してしまった。理由はよくわかる。 Vue がとどまることを知らない素晴らしい進化を続けるからだ。 Vite を生み出し、あっという間に TypeScript に対応、さらにデフォルトの API まで変更したと思ったら、 Vue2 の 2023 年末 EOL まで決めてしまった。背筋の凍る早さだ。 Vue3 には破壊的変更がある。Vue2 からたやすく移行を行えない。

今回案件探しをしている中に、 Vue2 から Vue3 への移行プロジェクトがあった。 Vue3 に触ってみたいだけの気軽さで応募したところ、「移行経験ない人お断り!」とけんもほろろに断られてしまった。この切迫感、当然である。いつ自分たちで修正不能なクリティカルレベルの脆弱性が見つかるとも知れないプロダクトが本番環境で動いていると思うとゾッとする。いや、むしろもうすでに山のような・・・。

Vue2 の公式では、やや申し訳なさそうに Vue3 はどうしても破壊的変更が不可避だったこと、 Vue2 の EOL 、そして今後のリリースは、下位互換を大切にしたいとする思いが語られている。

https://v2.vuejs.org/lts/#Upgrade-to-Vue-3

信用できない。長期的な運用を考慮するとやはり Vue を選ぶのは怖い。 React を Vite で動かすのが現状最善と考え CTO に提案したら、是非 Vue を採用してほしいと頼まれてしまった。

かくして私は Vue3 開発を行うことになったのだった。React であれば新鮮さもないが、Vue3 だと新しいことだらけだ。TypeScriptへの対応ぶり、Composition API の書き心地など、今から楽しみなのである。

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